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「何を言いたいかわからない」文章ができるのは、書く人が「言いたいこと」をわかっていないから

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伝わる文章を書く前に「言いたいこと」を明確にする

仕事のやり取りで送られてきたメールで、何を言いたいのかわからない文面ってありますよね。もしかしたら、新入社員が送るメールの文面をチェックするときにそう感じた人もいるかもしれません。あと企画書書きなれない人の企画書とかね。何を言いたいのか、さっぱりわからないという文章に出会うこと、けっこうあるかもしれません。

そんなときに「全然伝わらないよ」「こんな書き方じゃダメ、もっとこうしないと」というような指導をする場合があると思うのですが、だいたいこういう指摘をしても改善しないことが多いです。

なぜ「こう書きなさい」「もっとこうしたほうがいい」という、書き方を指導することに意味がないのか。

改善しない理由は明らかです。問題は「どのように書くか」にないからです。英語でいうと「How to write」です。

では問題はなんなのか。「何が言いたいかわからない」文章ができてしまう問題は、「何を書くか」が決まっていないからにあります。ほぼ100%。

優先度が高いのは「HOW」より「WHAT」

「もっとこうしたほうがいい」というアドバイスは、「言いたいことはわかるけれど、直接的すぎてインパクトが強いかも。もうちょっと相手に寄り添う感じで」とか、「言いたいことはわかるけれど、遠回しで相手が気が付かないかも。箇条書きにして整理したら」というレベルなら有効です。

でも「何が言いたいのかわからない」文章に対しては意味がない。だって「言いたいこと」がわからないんだもの。

だからそういうときは、文章の書き方を指摘するのではなくて、その文章によって何を言いたいのか、英語で言うところの「What to write」をまずはっきりさせる必要があります。

もし「何が言いたいかわからない文章」に出会って、アドバイスや指導や助言をする必要があるなら、「言いたいことはなにか」「何を伝えたいのか」を聞いてあげるといいでしょう。たぶん、それがあいまいだったり、矛盾していたり、決まっていなかったりするはずです。

「言いたいこと」を軸に文章構成を決める

伝わる文章を書くためには、アウトプットとしての文章をいじるのではなくて、「何を言いたいのか」を整理するところからはじめましょう。

言いたいことが、ちゃんと聞いてわかる内容になっているなら、それをそのまま書けばいいのです。そこに、前置きとしての挨拶や、前段として共有したい情報、なぜそのようになったのかがわかる経緯、「伝えたいこと」について自分がどう思っているのか、「伝えたいこと」に対してどのようにリアクションしてほしいのか、などの要素を肉付けする。

そうやって、文章を構成する要素を抽出して、「言いたいこと」「伝えたいこと」が伝わるように構成を決める。この場合の構成とは、出てくる順番とボリュームですね。

文章構成でよく言及されているのがPREP法です。

  • POINT(言いたいこと)
  • REASON(理由)
  • EXAMPLE(例)
  • POINT(言いたいことを繰り返す)

文章がうまく書ける人、書くのを苦にしない人は、書く前に構成ができています。あらかじめ作っておいた構成をなぞっていくので、苦労せずわかりやすい文章が書けるというわけです。

うまく書けない人は、書く前に考えない

うまく書けないと悩んでいる人は、何をどの順番で書くのか決めないまま文章を書き始めます。何を書くのかはっきり決まっていないのに、文章表現でなんとか伝えようとしても、目的地が決まっていないのに道案内ができないのと同様に、相手を「自分の言いたいこと」というゴールに連れていくことはできません。

もし上司や同僚から「何を言いたいのかわからない」という指摘を受けたら、文章表現を工夫するのではなく、そもそも自分が伝えたいことが何なのかをはっきりさせましょう。

「それがうまく表現できないんだよね」という人もいるかもしれませんが、それは考え方の解像度が粗く、課題を細かい要素に分解して本質を見極める余地が残されている状態です。書く前に考えましょう。

整理できないときは書き出して俯瞰する

もし頭の中だけで考えても堂々巡りになってしまって要素が分解できないと感じたら、脳みそに頼らず一度アウトプットしてください。要素を俯瞰して眺めてみると、優先順位や包含関係、因果関係などが見えやすくなります。具体的には、ノートに書くとか、パソコンのメモ帳に箇条書きにするとか、付箋に書き出してみるとか、いろいろ方法はあります。

「そんな面倒なことはしていられない、時間がない」と思うかもしれませんが、「伝えたいこと」が明確になっていないままやりとりを続けてミスコミュニケーションを起こして、あとですりあわせに時間をかけるくらいなら、いま時間を使って内容を整理するほうが、結果的に短時間で物事を前に進めることができます。

「わかりやすい文章」「伝わる文書」を書きたいと思ったら、まず「何を書くか」を明確にするところから始めるようにしてください。