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仕事で役立つ文章構成のコツ

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役に立つ文章構成とはどんなものか

文章を書くときによく言及されるのが「構成」です。

「もっと構成をこうしたほうがいいね」とか「この文章構成では伝わらない」とか。

そもそも文章構成ってなんなのでしょうか。

よく言われるのが「起承転結」です。

起承転結は漢詩が起源

  • 起(はじまるきっかけ、導入部)
  • 承(話が続く、展開部)
  • 転(意外なことが起こる、転換部)
  • 結(話が終わる、オチ)

だいたいこんな感じで捉えられていると思います。でも、仕事を含めた日常のコミュニケーションの中で、このフレームワークが機能する場面はほとんどないと思います。

通常の意思伝達で、「意外なこと」や「オチ」が求められることってありますか?会社の企画書や提案書で「意外性」が求められますか?(求められるときもあるかもしれませんが)

そもそも起承転結は、漢詩の構成法です。詩です。ポエムです。そこから転じて一般的に話や文章の構成が秩序正しく整っているかという意味合いでも使われている……そうです。

つまり、「君の文章さあ、起承転結がなくてわかりづらいよ」と言われるのは、「転にあたる視点の転換のダイナミックさが足りなかった」ということではなくて、「構成が秩序正しく整っていないのでわかりづらい」ということです。

「ひとつひとつの文の意味はわかるが、全体として何が言いたいのかわからない」ということもありえます。

あと「序破急」なんてこともいいますね。これはもともと雅楽の構成から来ているようです。演劇には「三幕構成」なんて概念もありますね。

「事実と意見の切り分け」を学術論文から学ぶ

起承転結、序破急、三幕構成は、パッケージ作品としてのアートやエンターテインメイントの要素の組み立てを表した考え方です。もしあなたが面白い作文で賞を取りたいというような目的を持っているなら、十分参考になる考え方ですよね。

でも仕事を含む日常生活で「わかりやすい文章を書く」ためのツールとしては、起承転結や序破急はあまり役に立たないかもしれません。小ねぎを刻みたいのにバトルアックスを出してくるみたいなものです。

じゃあ小ねぎを刻むのにちょうどいいツールはないのか。参考になる構成が、学術論文の構成です。

学術論文はアートでもエンタメでもありません。アカデミックな研究内容を伝えることが目的です。情報伝達、理解の促進という観点からすると漢詩や演劇よりも日常生活で書く文章の作り方に近いと言えます。

そんな学術論文はどういう構成になっているのか。だいたい以下のような感じになると思います。

  • サマリ・概要
  • 序文
  • 方法
  • 結果
  • 考察

あと参考文献とか謝辞とかありますがそれは省きましょう。ここで大事なのは、冒頭に概要がくるということですね。最初に、「この論文は何について書いているものだ」という大枠を読者と共有することで、詳細についてのミスリーディングを防ぐことができます。

一般の文章も同じで、まず最初に概要を書いてしまいましょう。いきなりディテールを書いても、読み手はその情報をどうやって受け取っていいのかわかりません。概要でスタートとゴール、その道のりをだいたい示すことで、細かい情報を受け入れる素地ができるというわけです。

それから、結果と考察が別項目になっていることも重要です。書かれていることが事実なのか、書き手の希望・意思なのかを明確にしないと、読み手は混乱します。「事実と意見をまぜてはいけない」というルールは、学術論文以外の文章作成にも役立つTIPSですね。

実用的なPREP法

番役立つと思われるツールは、PREP法です。

  • POINT(言いたいこと)
  • REASON(その理由)
  • EXAMPLE(実例、たとえ)
  • POINT(言いたいことを繰り返す)

でもこれ、実際に使うときになると3番目のEで詰まってしまうことが多いんですよね。

「英語学習はもういらない」という内容を考えると

  • 英語学習はもういらない
  • 機械翻訳、自動翻訳、リアルタイム翻訳が実用的になっている
  • A企業やB自治体でも導入が進んでいる
  • 英語学習はもういらない

という感じに当てはめることができますが、レポートや報告書だとイマイチですね。ある分野の調査をしているのに、ほかの分野の事例を挙げてもしょうがないよな、ということがあります。

Exampleを、Reasonをそのまま実例に変換するのではなくて、Reason→Pointというロジックを補強する、別の角度からのファクトとして考えてもいいと思います。

「日本の工場はロボットをもっと導入すべきだ」ということを伝えたいなら

  • 日本の工場はロボットを導入すべき
  • 少子高齢化で人手不足になる
  • 厚生労働省の資産によると、2050年の労働人口は現在の70%になるという
  • 日本の工場はロボットを導入すべき

というように、理屈を支えてくれる事実を入れてあげると座りがよく、読み手の理解をスムーズに促進できます。

PREP法を、先ほどの学術論文の構成に置き換えると以下のように表現できます。

  • サマリ・概要
  • 考察
  • 方法・結果
  • サマリ・概要(結語)

「ちょっとこれじゃ何が言いたいかわからないよ」なんて言われたときは、PREP法を意識して文章を組み立て直したり、足りないパーツがないか見直したり、学術論文の構成を意識して、考察と結果が混じっていないか見直したりしてみてください。

テンプレートに当てはめるのが即効性あり

一番簡単なのは、テンプレートを作ってそこに当てはめて書くことです。ビジネス用の文章だと、バリエーションの豊かさより情報伝達の機能性を求められるはずなので、有用ではないでしょうか。

  • 結論から申し上げますと「     」です。
  • 理由は「           」です。
  • 事例としては「        」があります。
  • あらためて結論を繰り返します。

これに、必要に応じて前提となる要件、背景情報やその結論に至るまでの経緯、理由を裏付けるファクトなどを追加していけばよいでしょう。