WRITE-IT!

WEBライティングで収入源を確保、またはスキルアップしたい人向けの役立ち情報満載!

わかりやすい文章にする推敲の三大鉄則

f:id:blitz1940:20211031132439j:plain

文章をわかりやすくする推敲術

小説や詩、脚本といった芸術作品に分類されるものは別として、日常生活で私たち一般人が書く実用的な文章に求められるのは「わかりやすさ」です。

文章が情報伝達の手段として使われている以上、「伝えたいこと」を正しく伝えられているかというポイントは重要です。

WEBの記事や雑誌のコラムでも、「わかりやすさ」は大切ですよね。たまに「わけわかんないけれどおもしろい」という境地に達しているコンテンツもありますが、その域に達するには文才が必要です。古今亭志ん生が高座に出てきただけで客が笑う、みたいな境地です。ちょっと違うかもしれません。

今回ご紹介したいのは、「わかりやすい文章にする」ための3つのポイントです。「文章を書く」ではなく「文章にする」なので、すでに文章が存在していることが前提です。自分で書いたものでも、他人が書いたものでもかまいません。

部下の書いた企画書やメールの文面を見て、「うーんなんとなく言いたいことはわかるけれど、なんか読みづらいというかわかりにくいんだよね」というとき、この3つのポイントを踏まえていれば、ちょいちょいと直せます。直すことで、読みづらい本当の理由(多くは「言いたいこと」が不明確であること)が浮かび上がってくることもあります。

企業のオウンドメディア担当になって文章をチェックしなければならない立場になったけれど、どうやって文章を見たらいいのかわからない人にとってもヒントになるでしょう。

自分で文章を書く場合も有効です。なんとなく文章の下手さでごまかしていた(?)ロジックのほつれや不整合性が明確になるはずです。

複文を短文にする

最初のポイントは、「複文を短文にする」です。

複文は、2つ以上の文からなっている文章です。

今日は朝から空が厚い雲に覆われているので、午後から雨が降りそうだ。

20歳の頃と比べて体重が10キロ以上増えているが、走る速さは衰えていない。

みたいな文ですね。これを短文にします。

今日は朝から空が厚い雲に覆われている。午後から雨が降りそうだ。

20歳の頃と比べて体重が10キロ以上増えている。しかし、走る速さは衰えていない。

複文の読みづらさで有名なのが、裁判所の判決文とかですね。ずらずら続いていてとてもづらい。

なぜ複文がいけないかというと、別に複文でもちゃんと書いてあればいいのですが、複文にすることで往々にして主語や時勢がねじれたり狂ったりロジックがつながらないところを無理やり複文にすることでつながっているように見せかけるという事態が発生するからで、この文自体が複文で主語がねじれているのは、意図的にそうしているからです。

内容によっては、複文でないと逆に意味が通りづらい場合もあります。 文が他の単語を修飾するために使われている場合は、複文のままにしておかないとぶつ切りの印象を与えます。

文が他の単語を修飾するために使われている場合もある。その場合、複文のままにしておく。ぶつ切りの印象を与えることがあるからだ。

まあこんな感じです。意味が通りづらくはないけれど、ちょっと突き放した印象を与えますよね。

主語のねじれ、係り受け、ロジックのねじれを正す

複文を短文にすると、この作業が楽になります。

主語のねじれは文法的な問題です。 たとえば

日本における米作は弥生時代から普及し、たくさんコメを食べるようになった

というような、前と後ろで主語が違ってきている文がはらんでいる問題です。同じテーマについて書いてあると気が付きにくいのですが、短文にすると主語を補う必要があるので、

日本における米作は弥生時代から普及した。それ以来、日本人はたくさんコメを食べるようになった

と主語のねじれを直すことができます。

係り受けも文法的な問題です。

なぜかというと、弥生時代の日本の気候が温暖化したからだ

が正しい文章だとすると、

なぜかというと、弥生時代の日本の気候の温暖化にある

は、理由を述べる部分が「~から」になっておらず、文法上の呼応が不適切です。

ロジックのねじれは論理的な問題です。 理由を述べる部分でそもそも理由を述べていなかったり、挙げられている理由が不適切な場合です。 ただ、ロジックのねじれも、多くは文章表現としてのロジックの整合性で、実際に間違った理由を元に結論を述べている例はあまり見かけません。「言いたいことはわかるけれど、その言い方だと理由になっていないよね」という状況ですね。

冗長表現を修正する

冗長表現は

  • ような
  • ように
  • といった
  • という
  • ~すること

などを指します。

最近は「~していく」「~していきたいと思う」という表現も見られます。たぶんYOUTUBERの実況口調の影響だと思います。

「~させていただく」に代表される口語的な謙譲表現も、何度も繰り返すなら冗長になりえます。

冗長表現といった部分を言い切り型に修正することによって、文章の切れ味が鋭くなり、文意が伝わるようになります。

冗長ですね。修正しましょう。

冗長表現を言い切り型に修正すると、文章の切れ味が鋭くなり、文意が伝わりやすくなります。

もやもやした表現がなくなって、だいぶスッキリしました。

まとめ

無駄な修飾や冗長な表現を削ぎ落とせば、文章が筋肉質になり「言いたいこと」がくっきり浮かび上がります。

逆に修正によって「言いたいこと」の整理が不十分だった事実に気がつくかもしれません。

文章を書いたら、そのまま提出するのではなく、

  1. 複文を短文にする
  2. 主語・ロジック・係り受けを整える
  3. 冗長表現を削る

この3つの観点で推敲してみましょう。